いつもブログをご覧頂き、ありがとうございます。


レント管理サービス
賃貸経営アドバイザーの坂田です。
本日ご紹介する記事は、
リクルート住宅総研が、
「
消費者視点で賃貸住宅のあり方を考えるプロジェクト」
として実施した調査結果の報告会の内容です。
テーマは、 「
愛ある賃貸住宅を求めて」。
今回のプロジェクトでは、
【ニューヨーク、ロンドン、パリ】 と 【東京】 の民間賃貸住宅の居住者に、
賃貸住宅での暮らしにつ いて調査を実施。
その結果、欧米と日本とでは多くの相違点が見られ、
「
住まい」に対する意識の差は…
■ 賃貸住宅市場、不名誉な「定位置」
全国消費者センターに寄せられる
賃貸住宅に関する相談件数は、
2000年頃から急激に増え始め、
03年以降はなんと年間
30,000件で推移しています。
ちなみに、国民生活センターがまとめたデータによると、
1位 : 携帯電話を利用した
アダルトサイト・出会い系サイトに関する相談
2位 :
サラ金に関する相談
3位 :
架空請求に関する相談
4位 : イン ターネットでの
アダルトサイト・出会い系サイトに関する相談
に次いで、何と
5位 : 賃貸住宅に関する相談件数
それも、ここ数年は不名誉な「定位置」をキープしているという状況。
マスコミで報道される賃貸住宅に関する話題はというと、
・
更新料問題
・
原状回復・敷金返還問題
・
強制的追い出し
…など、不動産事業者に とっては頭の痛くなるような話が多い。
「
鍵を勝手に交換され居宅に立ち入られた」
「
家財道具を勝手に処分され追い出された」
といった、
一部の行き過ぎた行為ばかりがクローズアップされたことで、
不動産市場に対する消費者の意識はことさら
敏感になっています。
悲しいかなトラブルによって、借り手と貸し手の「
溝」は深まる一方。
それが、賃貸住宅市場の現状。
そんななか、大都市の民営賃貸住宅に暮らす
現役世代に焦点を当て、
「
暮らしの質」、「
コミュニティ」という切り口で、欧米諸国との違いを提示。
そこから、
賃貸住宅における課題を浮き彫りにし、
「
住んでいる人を幸せにする賃貸住宅」のための提案を行なっています。
■ 「ここ“ が ”いい」 と 「ここ“ で ”いい」 の違い
まず、
「
住まいを引っ越すきっかけ」について見てみましょう。
東京では、回答が多い順に
「
進学・就職・転職、職探し」・「
結婚、同棲」
がそれぞれ
20%で上位を占めています。
一方、
ニューヨーク、ロンド ン、パリでは共通して「
住宅の質の改善」 がトップに。
この違いについて、研究所・主任研究員の島原万丈氏は、
・東京の賃貸住宅市場の流動性は、住宅・不動産市場の
外で決まっていて、
業界から能動的に働きかける余地が小さい。
・海外の都市では、住宅の質や居住環境を改善したいという、
住宅・不動産市場の
中に発生する動機で動いており、業界からすれば、
地域や部屋の魅力をアピールすることで、転居を促す提案可能な余地が大きい
と分析しています。
次に、「
住まい探しの際に重視したポイント」について
東京で最も重視度が高かったのは
・
家賃
・
沿線、駅
・
勤務先や学校への交通アクセス
・
最寄駅からの距離
欧米では、
・
部屋の 良さ
・
建物の良さ
・
近隣の生活環境
・
好きな地域
という項目が重要視されています。
つまり、
東京では、
転居にあたって「
こんな部屋に暮らしてみた い」とか
「
好きな街に住みたい」といった夢や憧れが少ないということです。
欧米では、
「
住まい=自分のライフスタイルの実現」というくらい、住む場所にこだわりがあります。
ところが、
東京の場合は
「
通勤に便利で、家賃もまずまず、駅からの距離が近ければ、ま、いっか」
といった感じで、
住まい選びに強い希望を持っていないということ。
確かに、
東京の賃貸物件は、造りや仕様が似かよっているものが多い。
どこを選んでも大差ない、と思うのも仕方ないのかもしれませんが…。
「ここ “
が ” いい」と部屋を決める欧米に比べ、
「ここ “
で ” いい」とあきらめ混じりに決める日本。
それほどまでに、「住まい」に対する意識の差があります。
■「賃貸」を楽しくするための提案
賃貸住宅における退去時の
敷金返還にまつわるトラブルがたえません。
ところが、
ニューヨーク、パリ、ロンドンでは「敷金は
100%返却された」割合が
6割を超え、
平均返還率は
80%弱というのが現状。
壁の色を塗り替えたり、棚を造ったり、部屋を自由にデコレーションしても、です。
それに比べ、日本では壁に
釘の1本を打つのもためらわれる。
何らかの改修を行なった場合、原状回復の費用を請求されることが多いからです。
これでは、「
賃貸だからしょうがないか…」と割り切って、
与えられた住まいで暮らさざるをえないのかもしれません。
「
地域コミュニティの希薄さ」も問題点として挙げています。
地域内で親しくしている人の数について、東京では「
0人」の割合が突出しており、
居住地域に親しい友人がいないという状況が
54%を占める結果。
反対に、
ニューヨークでは平均で
5.4人、ロンドンとパリは
4.5人です。
日本は、
地域住民の1人として地域に溶け込んでいるとか、
今の地域に住んでいるということは自分の個性の1つである、
といった
地域住民としてのアイデンティティがほとんど感じられません。
つまりは、孤独な住まい方をしているんです。何とも寂しい現実。
衝撃的なデータもあります。
賃貸住宅居住者の
精神的健康状態を、
WHO(世界保健機関)の診断項目を使って確認したところ、
何と
半数が「
問題あり」に分類されたというのです。
「問題あり」を都市別に比べると、
東京
53%、ニューヨーク
26%、ロンドン
26%、パリ
24%と、
東京は、欧米の都市に比べて
2倍の割合。
さらに、世帯人数別にみると、
どの都市でも
1人世帯で「問題あり」の割合が高い傾向は一致していますが、
東京
57%、ニューヨーク
29%、ロンドン
31%、パリ
30%と、
こちらもダントツで東京の1人暮らしの状態の悪さが際立っている。
ですが、暗いことばかりを並べても仕方がありません。
見方を変えると、賃貸住宅は、
居住者のコミュニティ形成や
地域コミュニティとの関係性をつくり直すことで、
しばしば問題となるわが国の
生きづらさや
閉塞感、
ストレスに対して、
好ましい影響を与える力を持っていることも意味しているという事。
住民同士、住民と地域がふれ合う
共用スペースの設置などが、
孤独、孤立からの脱却になるのではないかと提案しています。
家賃を払い続けても自分のものになるわけではない賃貸住宅。
だからといって、
半ば「
あきらめ」の気持ちで住み続けるのでは、人生楽しくないし幸せな気分にはなれない。
「
おしゃれな服が着たい」と「
衣」にこだわりを持つように、
「
美味しいものが食べたい」と「
食」にこだわりを持つように、
「
素敵な部屋に住みたい」
「
居心地のいい空間で暮らしたい」
と、もっと「
住」にもこだわりを持ってもいいのではないか、
と考えさせられた報告会でした。
オーナー様の何かのきっかけになれば幸いです。
■■■■【
大学生協指 定法人】
■■■■■■■■■■■■■■■■■
~京王線/井の頭線沿線多店舗展開中~
株式会社 RentHouse
関連事業部 受託課
(賃貸経営アドバイザー)
所 長 坂 田 直 哉
■事業所 〒180-0003
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-1-2 ANDO BLD.CINCO 2F
TEL 042-314-6601(代 表) FAX 0422-40-0701
URL http://www.renthouse.co.jp mail k-kaihatsu@renthouse.co.jp
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
PR