今回は、前回のブログ
「
不動産会社が書きたがらない需給ギャップの話(1)」の続きになります。
少し具体的なお話をさせて頂きます。
「需要と供給」のお話。
賃貸経営のみならず、全ての事業は「需要」があって初めて成立する。
では、賃貸経営の需要とは何ですか?
本当に需要はありますか?
と問われると、不動産屋に聞いてくれ、建築会社に聞いてくれ、となるはずです。
問われる側の不動産会社や建築会社も
「 大丈夫です・・・( たぶん )」
「 会社(私)を信用して下さい・・・( 祈り )」
という説得力のない回答に終始するはずです。
問題なのは、その「需要」というものを把握しきれていない点。
それに尽きます。
なんとなく少子高齢化? なんとなく人口減少? もしくは東京集中?
もしくは、なんとなく人通りが多い? 商店街に近い? 大学が近い?
極論なんとでも言えるはずです。
不動産会社や建築会社の多くが、残念ながら、感覚で判断をし、適当な話をし、
オーナー様は、何千万、何億という大金を払っている。
これは、投資ではなく、ギャンブルだと思うのです。
簡単な例を2つほど。
例えば、下記のグラフをみてみます。

2012年度の吉祥寺東町2丁目「人口構成比」。住みたい街No1の吉祥寺。
近くには成蹊大学もあり、若者で溢れかえっているエリアです。
多くの建築会社や不動産会社は、
日常的に若者を目にしているので、大学生単身者向けのを建物を供給しようとします。
一方でオーナー様は、学生単身者向けの机上の投資利回りが高いことから、
喜んでその提案を受け入れます。
しかし、上記のグラフによると、実際には、15才-24才の学生層は、
エリアになんと9%しか住んでいないことがわかります。
9%=需要がない=実際に目にしている若者は、住んでいるのではなく遊びに来ているだけ!
本来、供給すべきなのは、
25才以上の社会人を対象としたお部屋であることは言うまでもありません。
そして、次は、現在の供給数。これも簡単です。
下記の表は、エリアにおける現在の募集件数になります。

「隣接する3駅の間取り別募集件数」
前述の9%しかいない学生層に対して、
地域の単身者向けの供給は、60%近くにまで膨れ上がっていることがわかります。
たったこの2つの事実だけで、自ずと供給すべきお部屋が絞られてくる。
最も適しているのは、「25歳以上の社会人を対象とした2LDKか3LDK」。
この間取りのお部屋を供給すれば、
家賃保証(失笑)などなくても、安定経営が行えることがわかると思いますし、
単身者向けを供給することが如何に危険かをご理解いただけると思います。
叫ばれている付加価値や差別化で対抗できるのも限界があります。
私の作成した査定書や市場調査書は、
ハイリターンを期待するオーナー様や建築会社様には、煙たがられてしまうことが少なくありません。
学生向け1Rや1Kの賃貸住宅をオススメしないことにより、
机上の投資利回りが減少することが少なからずあるからだ、と思います。
不動産市場には、入居者の「需要」ではなく、
「各社の思惑」が優先されてしまっている構造上の問題があるのだ、と思います。
全ての事業は「需要」があって初めて成立する。
そう思うのは、私だけでないことを信じています。
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