オーナー様に挨拶をすると、
「
是非、空部屋を見ていってほしい」
と言われ半ば強引にお部屋を拝見させて頂きました。
駅までの帰り道で、そのような物件が
3件もあり、
それぞれのオーナー様は、すぐに部屋を案内して頂きました。
「良い方がいれば家賃交渉しますからね!
1,000円とか
2,000円なら」
「今回
リフォーム(クリーニングですが…)をしてきれいにしました」
「ここの立地の素晴らしい所は・・・」
などなど、
こちらが話す隙がないほどの口調でしゃべり続けるオーナー様。
仲介会社への必死のアピールが続きます。
ある程度の事は、こちらが見ればわかります。
肝心なのは、
「
家賃と物件の内容のバランス」です。
これまた、多くのオーナー様に共通している事ですが、
家賃をなかなか教えてくれません。
こちらから、
「
物件の概要はわかりましたので、おいくらになりますか?」
と質問して初めて答えて頂ける。
なかには、
「
いくらだと思いますか?」
と質問を質問で返してこられるオーナー様がいます。
賃貸市場が難しい時代。
満室である物件、と
空室がある物件 ははっきりしています。
私が物件をみる際の
ポイントは、
物件に
設備投資しているかです。
【
再投資しているオーナー様への場合】
賃料が高いか安いかではなく、
今の賃料を維持していくためにはどのようにすればよいかを提案します。
【
投資を全くしていないオーナー様の場合】
単純に相場のみをお伝えしています。
決してどちらが正しくて、どちらが悪いという話ではなく、
オーナー様には再投資できる方とそうでない方がもちろんおり、
賃貸経営への考え方も違います。
そこを履き違えて、
オーナー様が何もしてくれないから決まらない、
というのは全くもっておかしな話です。
不動産営業マンの質にもよるでしょうが、
ある程度見れば、決めれる物件とそうでない物件の区別はできます。
投資しないから悪いのではなく、
「
賃料と物件の内容のバランス」
が正しければ、その物件は決まります。
難しく考えずに、
商品の価格に合わない物は、誰も買わないだけです。
野菜が高騰しています。
不作で品薄だから、
品質の悪い野菜もびっくりするような値段が付いています。
それでも他にないから消費者は買うしかない。
賃貸物件はそうではない。
物件の周りを見ると、賃貸物件で溢れかえっています。
よくオーナー様の言い訳で、
「
今いる入居者とできるだけ家賃を変えたくない」
という言葉を耳にします。
それも単純な考えですが、それでは
・
空室のままにするか
・
設備投資して賃料に見合った物件にするか
この
2つしかありません。
そもそも
今いる入居者と契約したのは、何年前ですか?
その時と今の賃料相場が変わっていないわけがない。
【
ここ1年間の東京都内の相場変動】
(※再投資をしていない物件)
単身者向け物件:
5,000円~
10,000円下落
ファミリー向け物件:
8,000円~
12,000円下落
このような状況下で支離滅裂な要望をされても
残念ながら貸し手市場の現在では無理です。
どんなにこだわりをもった建物でも年数が経てば老朽化していきます。
しかし、その老朽化というものは、
年数 【老朽化の程度】
1年目~5年目 【1】
6年目~10年目 【3】
11年目~15年目 【15】
15年目~20年目 【50】
というように、
毎年平均して老朽化していくわけではなく、
年数が経てば、その老朽化の速度が劇的に進行してしまいます。
3年毎に設備投資とメンテナンスをきちんと行っていれば
今のような状況になっていない物件が多い。
負の遺産を後世に託す事をよしとする人はいないでしょう。
「
賃料と物件の内容のバランス」
今一度お考え直しください。
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